2023.11.16

今週は会議が多く、教会の仕事があまりはかどっていません。今日は集中して、教会の仕事に取り組みたいと思います。

教会では、123日よりアドヴェント(待降節)に入ります。今年のアドヴェントでは、讃美歌21244番「キリストは明日おいでになる」を通して、クリスマスを迎える準備をしたいと思っています。この讃美歌は、20世紀に生まれた比較的新しいものです。オランダに生まれたカーンという人が作詞をしました。この人はイギリスで牧師をしていましたが、この教会で「礼拝で受けた恵みを、次の日からの一週間にどのように生かすか」ということが議論されていたそうです。礼拝は出発であって、私たちは礼拝からこの世へと派遣されているということを真剣に考えるうちに、そのような讃美歌がないことに気付き、自分で作詞し、オルガニストにみんなのよく知っている曲を選んでもらい、その曲に合わせて歌ったそうです。そのようにして、約50編の讃美歌が生まれました。いつしか、カーンの名前は新しい讃美歌作者として広まっていきました。1968年以降は、国際的な場で活動するようになり、そこで作曲者となるドーリン・ポッターと出会います。讃美歌244番は、ポッターの曲で歌われることが増え、今回讃美歌21に納められました。(参考資料:『さんびかものがたりII この聖き夜に』川端純四郎著)

 

礼拝で受けた恵みを、日々の生活にどのように生かしていくか。それは、今年のクリスマスをどのように祝うかというところにもつながります。御子は、この世が闇に閉ざされていても、来てくださる。しかし、世界は御子を十字架につけた時と何も変わらない。世の人は救いの星を顧みることはなく、私たちも明日をもたない人々に目を留めてはいないのではないか。そういう問いかけがなされています。この世界にキリストが来られたことの意味を広く深く捉えるように、そして恵みを受けた者としてこの世で生きるようにと押し出す讃美歌です。とかく、自分や家族という狭い世界に閉じこもりがちなクリスマスをもっと広い視点で捉えることができればと願っています。

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